03 事業概要
銘柄:セコム(9735) 更新日:2026年5月16日
事業概要(3行サマリー)
セコムは日本最大手の総合セキュリティ企業で、機械警備・常駐警備を中核に防災・保険・メディカル・BPO-ICTまで7セグメントを展開し、国内累積契約件数は約300万件超にのぼる。セキュリティサービスセグメントが売上の約53%・営業利益の約80%を占める高収益基盤を持ち、参入障壁の高い大規模インフラ・センサー網と長期継続課金モデルにより安定した営業利益率18%台を維持している。中長期では2040年ビジョン(2026年5月策定)に基づき、AIによる遠隔警備高度化・メディカル在宅医療拡大・防災ICT連携を成長ドライバーとして位置づけている。
セグメント別収益構成(直近完全決算期:2025年3月期)
※ 2026/03期はセキュリティサービス以外の詳細セグメント利益が未開示のため、2025/03期データを使用。連結セグメント利益合計と連結営業利益には差異あり(本社費用・セグメント間消去が除外されるため)。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| セキュリティサービス | 6,334億円 | 52.8% | 1,150億円 | 68.7% | 18.2% | D2 |
| 防災 | 1,771億円 | 14.8% | 201億円 | 12.0% | 11.4% | D2 |
| BPO-ICT | 1,285億円 | 10.7% | 91.7億円 | 5.5% | 7.1% | D2 |
| その他 | 570億円 | 4.8% | 86.3億円 | 5.2% | 15.1% | D2 |
| メディカルサービス | 863億円 | 7.2% | 54億円 | 3.2% | 6.3% | D2 |
| 地理空間情報サービス | 584億円 | 4.9% | 34.6億円 | 2.1% | 5.9% | D2 |
| 保険 | 594億円 | 5.0% | 42.3億円 | 2.5% | 7.1% | D2 |
| 合計(連結) | 11,999億円 | 100% | 1,443億円 | 100% | 12.0% | D4 |
注:セグメント利益合計はセグメント個別集計値(連結消去前)のため、連結営業利益1,443億円と直接対比不可。利益構成比は各セグメント利益/連結営業利益で算出(参考値)。セキュリティサービスの高利益率(18.2%)が全社利益を牽引し、防災・その他も2ケタ利益率を維持している。
強み・弱み
強み:
- 継続課金型ビジネスモデル: 機械警備は月額固定料金の長期契約が主体で解約率が極めて低く、売上の安定性が高い。過去5期で売上高は毎期4〜5%成長を継続。
- インフラ競争優位: 全国に展開するセンサー・コントロールセンター網は数十年をかけて構築された参入障壁であり、競合(ALSOK等)との格差は縮小しづらい。
- セグメント多様化によるリスク分散: セキュリティ以外に防災・医療・保険・ICT等を展開し、景気耐性が高い。メディカルは訪問看護・在宅医療の成長市場に位置。
弱み:
- 成長率の限界: セキュリティサービスセグメントは成熟市場であり、有機的成長率は低水準(2025/03 +3.1%)。規模の拡大より効率改善・値上げ依存が続く。
- 地理空間情報・BPO-ICTの利益率低迷: 地理空間情報(利益率5.9%)はITサービス競合が多く、付加価値向上が課題。2025/03はBPO-ICTも利益率7.1%と低水準。
- EPS増益ペースが緩慢: PER約26倍(D4)に対し、EPSの年成長率は7〜8%程度。金利上昇局面での割高感が生じやすい。
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: 過去5期(2022〜2026/03)の営業利益率は12〜13%台で安定推移しており、2026/03は1,603億(率12.7%)と過去最高水準。ROEは8.5%前後で安定しており、大きな悪化リスクは低い。ただし省人化・AI化投資の増加により設備投資は拡大傾向にあり、利益率の急改善は見込みにくい。
- 競争優位の方向性: 機械警備市場の国内最大手ポジションは堅持。ALSOK等との競合では規模格差が維持されている。AIカメラ・遠隔監視への移行は両社とも進行中であり、技術的差異化が今後の分岐点になる可能性がある。全体として優位性は横ばい〜緩やかな拡大基調。
- 株価との関係: PBR1.96倍(D4)・PER26倍(D4)は防衛的なビジネスモデルとしては適正〜やや割高。ROE8.5%に対しPBR2倍弱は均衡水準だが、アナリスト目標株価5,468円(D4)は現在株価6,163円を約11%下回っており、コンセンサスは「中立」。成長加速が確認されなければ割高感の払拭は困難。※AI推定。
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別)
- セキュリティサービス: 機械警備(センサー監視)・常駐警備・オンライン警備。国内主力。
- 防災: 消防設備設置・保守管理。建物竣工・更新需要に連動。2025/03は10.3%増収、利益率11.4%まで回復。
- BPO-ICT: 業務プロセスアウトソーシング・情報処理・システム運用。成長はあるが利益率低水準。
- メディカルサービス: 訪問看護・診療支援・医療機器。高齢化対応の成長セグメント。2025/03利益率7.6%→6.3%に低下(投資先行)。
- 地理空間情報サービス: 航空測量・地図データ作成・リモートセンシング。官公庁向け。
- 保険: 損害保険代理業(セコム損保含む)。規模は小さいが利益率改善継続(2025/03 +2.7pt)。
中期経営計画・ビジョン
- 2026年5月12日:「セコムグループ2040年ビジョン」策定公表(D2)。詳細内容は未開示分が多いが、AIによる遠隔警備の高度化・在宅医療・防災DXを3本柱とする見通し(※AI推定)。
出所:セコム IR開示(D2)、irbank.netセグメントデータ(D2)、prices.db fundamentals(D4)、WebFetch irbank.net(F3)。2026年5月16日現在。