03 事業概要
銘柄:SB(9434) 更新日:2026年5月16日
事業概要(3行サマリー)
ソフトバンク株式会社は国内第3位の携帯キャリアを中核に、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア・EC(ヤフー/LINEなど)、ファイナンス(PayPay等)の5セグメントで展開する総合デジタル事業会社。2026年3月期に初の営業利益1兆円超えを達成し、連結売上高7兆387億円・営業利益1兆426億円と国内通信大手トップクラスの規模を誇る。中長期には「AIを社会に実装する会社」を掲げ、PayPayの米国ADR上場・AIインフラ整備・法人向けDX支援を軸に、2031年3月期営業利益1兆7,000億円(年率+10%成長)を目指す新中計「Activate AI for Society」を推進中。
セグメント別収益構成(直近決算期:2026年3月期)
データ出所:irbank取得(get_irbank_segment.py)+WebSearch補完(F1)。セグメント利益はIFRS当期利益ベース。連結営業利益1兆426億円とは定義が異なる。
セグメント利益合計は連結営業利益を大きく超過しており、IFRS構造(本社費用・セグメント間消去・非配分コスト等の除外)による乖離と判断。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | セグメント利益※ | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| コンシューマ | 3兆151億円 | 42.8% | 5,508億円 | 50.9% | 18.3% | F1 |
| メディア・EC | 1兆6,680億円 | 23.7% | 2,404億円 | 22.2% | 14.4% | F1 |
| ディストリビューション | 1兆563億円 | 15.0% | 353億円 | 3.3% | 3.3% | F1 |
| エンタープライズ | 1兆29億円 | 14.2% | 1,924億円 | 17.8% | 19.2% | F1 |
| ファイナンス | 4,045億円 | 5.7% | 863億円 | 8.0% | 21.3% | F1 |
| その他・消去 | ─ | ─ | ─629億円 | ─ | ─ | D1 |
| 合計(連結) | 7兆387億円 | 100% | ─ | ─ | ─ |
※セグメント利益=IFRS当期利益ベース。連結営業利益1兆426億円(利益率14.8%)とは定義が異なる。
コンシューマ・エンタープライズで利益率が高く(18〜19%)、ディストリビューションは薄利(3.3%)だが規模拡大中。ファイナンス(PayPay等)はYoY+107%と急成長。
強み・弱み
- 強み:
1. 国内No.3キャリアとして約3,000万契約の安定的なコンシューマ基盤を持ち、解約率が極めて低い(サブスクリプション収益の安定性が高い)
2. PayPay(国内最大級のスマホ決済・4,500万ユーザー超)の上場(米国ADR、2026年3月)によりファイナンスセグメントが急成長し、非通信領域での収益多様化が加速
3. ヤフー・LINE・アスクルなど主要デジタルプラットフォームを傘下に持つ「ディフェンシブ×成長」のハイブリッドな事業ポートフォリオ
- 弱み:
1. 親会社ソフトバンクグループへの高い財務的依存(連結純利益の大部分がSBGに還流)と高配当維持に伴う配当性向76%の財務的制約
2. メディア・EC事業がYoY▲7.1%(アスクル障害・競合激化)と収益性が伸び悩んでおり、規模に対して利益率が低い(14.4%)
3. 通信キャリア事業は価格競争(楽天モバイル参入以降)と法規制(利用料値下げ指導)による構造的な収益圧力を受け続けている
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: D4より営業利益率は過去4期で10.6〜15.0%台を維持(2025/03FY: 15.1%→2026/03FY: 14.8%)。利益水準は高水準で安定的。ROEは直近期でも自己資本比率が低め(IFRS構造)だが純利益は増加傾向。維持可能と判断。
- 競争優位の方向性: コンシューマは競争成熟局面だが、エンタープライズDXとAI実装で差別化を拡大中。ファイナンス(PayPay)はスケールが競争優位を強化している。全体として優位性は拡大方向。
- 株価との関係: PER19.4倍・PBR3.92倍(D4)。安定成長型インフラ株としては概ね適正〜やや割高水準。配当利回り3.8%は国内通信大手では高水準で、インカム投資家の安定的な需要が下支えしている(※AI推定)。
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別)
| セグメント | 主要サービス |
|---|---|
| コンシューマ | 携帯電話・光ブロードバンド・IOTサービス |
| エンタープライズ | 法人向け通信・クラウド・DXソリューション・AI導入支援 |
| ディストリビューション | スマートフォン・PC・家電等の流通販売(SBテクノロジー吸収合併後) |
| メディア・EC | ヤフー・LINE・PayPayモール・アスクル等 |
| ファイナンス | PayPay・SBペイメントサービス・SBIファイナンシャルサービス等 |
地域別売上構成
国内中心(海外売上の独立開示なし)
中期経営計画「Activate AI for Society」(2027〜2031年度)
- 2031年3月期営業利益目標: 1兆7,000億円(2026年3月期比+6,574億円)
- 2031年3月期純利益目標: 7,000億円
- 年率成長率(営業利益): 約+10.3%
- 主要施策: AIインフラ整備(自社・法人向けGPUクラスター)、PayPayエコシステム拡大、エンタープライズDX加速、IDCフロンティア・SBテクノロジー統合によるクラウド事業強化
出所:ソフトバンク2026年3月期決算短信(F1)、irbank.net(D2)、WebSearch(F1)。2026年5月16日現在。