03 事業概要
銘柄:東急(9005) 更新日:2026年5月15日
事業概要(3行サマリー)
東急は東京・渋谷を起点とする鉄道・バスを軸に、不動産開発、生活サービス(流通・建設・ケーブル等)、ホテル・リゾートの4セグメントを展開する東急グループの中核企業。渋谷エリアの大規模再開発(渋谷スクランブルスクエア等)と沿線価値向上を強みとし、不動産セグメントの営業利益率が23.7%(2025/03期)に達するなど、高利益率のアセットを組み合わせたポートフォリオが際立つ。中長期成長ドライバーは渋谷・二子玉川・溝の口等の沿線大型再開発と、インバウンド需要拡大に乗るホテル・リゾート事業の収益底上げ。
セグメント別収益構成(直近決算期:2025年3月期)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 生活サービス事業 | 5,076億円 | 48.6% | 193億円 | 18.6% | 3.8% | D1/irbank |
| 交通事業 | 2,168億円 | 20.8% | 290億円 | 28.0% | 13.4% | D1/irbank |
| 不動産事業 | 2,042億円 | 19.6% | 484億円 | 46.7% | 23.7% | D1/irbank |
| ホテル・リゾート事業 | 1,263億円 | 12.1% | 66.5億円 | 6.4% | 5.3% | D1/irbank |
| セグメント間消去等 | ▲109億円 | — | 1.5億円 | — | — | ※AI推定 |
| 合計(連結) | 10,550億円 | 100% | 1,035億円 | 100% | 9.8% | D4 |
不動産セグメントが利益の約47%を占める一方、売上比率は20%にとどまる。交通インフラが安定収益基盤を提供し、生活サービスは薄利ながら規模で貢献。ホテル・リゾートはコロナ禍の赤字から黒字転換が完了し成長フェーズへ移行。
強み・弱み
強み:
- 渋谷軸の不動産資産: 渋谷スクランブルスクエア等の超優良立地不動産を保有・運営し、不動産セグメント利益率23.7%(2025/03期)という高収益構造を維持。沿線地価の上昇が持続的に資産価値を押し上げる。(D1/irbank)
- 交通インフラとの相互強化: 鉄道・バス網が沿線人口を集積し、商業・不動産・ホテルの需要を生む垂直統合型ビジネスモデル。交通事業利益率も13.4%(2025/03期)と鉄道業界で高水準。(D1/irbank)
- インバウンド収益拡大: ホテル・リゾート事業が2022/03期の赤字(▲167億)から2025/03期に66.5億円黒字へ転換。インバウンド観光需要の継続的な取り込みで更なる拡大余地あり。(D1/irbank)
弱み:
- 生活サービスの薄利: 売上比率48.6%の主力セグメントが利益率3.8%にとどまり、連結利益率の重しとなっている。Eコマース競争や人件費上昇が利益率改善を阻む。(D1/irbank)
- 不動産事業の収益変動リスク: 分譲マンション等大型物件の計上時期により四半期・年度単位で営業利益が大きく振れる。2025/03期の不動産売上が2024/03期比▲7%と反動減。(D1/irbank)
- 負債・資本コスト: PBR1.14倍とROEとの乖離が小さく改善余地があるが、大規模再開発投資に伴う有利子負債残高が高く、金利上昇環境での財務コスト増大リスクを内包する。(D4)
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: 営業利益率は2022/03の3.6%→2025/03の9.8%と急回復・高止まりしており、不動産・交通の安定収益基盤があるため維持は可能。ただし2026/03期は▲0.3%減益(9.5%)と微減しており、ホテル増益でカバーしつつも大型案件の谷間に差し掛かる局面。(D4/F1)
- 競争優位の方向性: 渋谷再開発は竣工ラッシュを経て一段落しつつあるが、不動産パイプラインは継続中。交通インフラの参入障壁は極めて高く、優位は縮小していない。(※AI推定)
- 株価との関係: PER14.4倍・PBR1.14倍はROE~10%水準を考慮すると概ね適正。アナリスト目標1,875円(現在1,657円)に対して約13%のアップサイドがあり、やや割安圏との評価が妥当。(D4/D1)
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別)
- 生活サービス事業: 東急ストア(スーパーマーケット)、東急建設、東急コミュニティー(管理)、イッツコム(ケーブルTV)、東急エージェンシー等
- 交通事業: 東急電鉄(田園都市線・東横線・大井町線等)、東急バス、東急テクノシステム等
- 不動産事業: 東急不動産(渋谷スクランブルスクエア等の大型開発・賃貸・分譲)、東急リバブル(仲介)
- ホテル・リゾート事業: 東急ホテルズ(旧東急ホテルズ、2026年4月に東急株式会社に合併)、ザ・キャピトルホテル東急等
地域別: 主として首都圏(東京・神奈川)集中型。観光地(長野・静岡等)のリゾート施設でも展開。(※AI推定)
中期経営計画(参考): 最新の中計詳細はWebSearch未取得だが、IR開示(2026-05-13決算説明会資料)で方向性が示された見込み。2027/03期ガイダンスは営業収益1兆1,400億円・営業利益1,100億円・純利益900億円(F1)。
出所:irbank セグメントデータ(D1)、prices.db fundamentals(D4)、biggo.jp 決算短信(F1)。2026年5月15日現在。