03 事業概要
銘柄:住友不(8830) 更新日:2026年5月15日
事業概要(3行サマリー)
住友不動産は不動産賃貸(都心オフィス・商業施設)、マンション分譲、リフォーム・建設、不動産仲介を展開する総合不動産会社で、東京23区内の賃貸ポートフォリオ(約250棟)に収益の70%超が集中し、プライムオフィスに特化した高利益率モデルを持つ。2026年3月期に8期連続過去最高益(営業利益2,950億円)を達成しており、1株当たり年間配当も連続増配を継続(2026年1月1日に1:2の株式分割を実施済み)。中長期の成長ドライバーは第十次中期経営計画(2026〜2028年度)における東京都心への大型ビル順次竣工と、インド・ムンバイへの10年1兆円規模の海外展開(1号物件2026年秋稼働予定)。
セグメント別収益構成(2025年3月期)
| セグメント | 売上高(億円) | 売上構成比 | 営業利益(億円) | 利益構成比 | 営業利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 不動産賃貸 | 4,702 | 46% | 1,913 | 70% | 40.7% | F1(irbank) |
| 不動産販売 | 2,462 | 24% | 604 | 22% | 24.5% | F1 |
| 完成工事 | 2,141 | 21% | 228 | 8% | 10.6% | F1 |
| その他 | 108 | 1% | 22 | 1% | 20.1% | F1 |
| 合計(連結) | 10,142 | 100% | 2,715 | 100% | 26.8% | D4 |
セグメント利益合計(2,767億)と連結営業利益(2,715億)の差額52億は消去・調整等。差異比率は約2%で正常範囲。
2026年3月期(直近)のセグメント詳細は未公開。連結: 営業利益2,950億(F1)。
利益率差の構造:賃貸事業の40.7%高利益率が全体収益を支え、完成工事(10.6%)は労務費・原材料費の高止まりにより相対的に低い。
強み・弱み
強み:
- 東京都心プライムオフィス集中(賃貸OPM40%超・営業利益の70%)による高利益率と景気耐性
- 8期連続最高益を支える安定した賃貸キャッシュフローと継続的な賃料改定効果
- マンション分譲ブランド(シティハウス/シティタワー)の都心駅近・高単価戦略
- 第十次中計下での大型ビル竣工パイプライン(2025〜2028年複数物件)
弱み:
- 東京都心への地域集中リスク(国内分散・海外展開が限定的)
- 有利子負債が大きく(推定4兆円超)、日銀利上げ局面での金利負担増加リスク
- 完成工事・その他セグメントの利益率が低く全体OPMを下押し
- 海外展開がインド・ムンバイ1拠点に限定(1号物件稼働前段階)
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: ROE 8〜9%台を5期連続維持(D4)。営業利益率26.8%は大手不動産最高水準(三井不13.8%、菱地所14.5%)。都心オフィスの需給ひっ迫と賃料改定が続く限り維持可能。
- 競争優位の方向性: 大型ビル竣工パイプラインにより賃貸資産ベースは拡大方向。競合(三井不)も大規模再開発を推進しており、差は拡大・縮小の混在局面。
- 株価との関係: PBR 1.80倍(FY2025)はレバレッジ勘案で妥当水準。PER 10倍台は8%成長持続なら割安ゾーン。決算翌日の-9.28%下落で現在RSI 32.7と過売られ圏に突入。※AI推定
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
不動産賃貸事業(売上46%・営業利益70%)
- 東京23区内に約250棟のオフィスビル・商業施設を保有運営
- 「住友不動産新宿グランドタワー」「東京三田ガーデンタワー」等の大型ビルで高稼働維持
- 既存ビルの賃料改定と新規竣工物件の入居進捗が増益の主因
不動産販売事業(売上24%)
- 首都圏・近畿圏の都心・駅近「シティハウス/シティタワー」ブランドで展開
- FY2025計上戸数約3,500戸。取扱単価上昇継続
完成工事事業(売上21%)
- 「新築そっくりさん」(戸建リフォーム国内最大手)と注文住宅
- 安定した受注水準だが利益率は低め(OPM10.6%)
その他(仲介等)
- 「住友不動産販売」(国内最大級仲介)。高価格帯物件の取扱比率上昇中
地域別(概算)
- 東京都心(23区内): 約60%
- 首都圏(23区外含む): 約30%
- 近畿圏・その他国内: 約8%
- 海外(インド等): 約2%(拡大中)
第十次中期経営計画(2026〜2028年度)
- 長期ターゲット: 10年以内に経常利益4,000億円超
- 東京都心プライム資産への重点投資継続(複数大型ビル2025〜2028年竣工予定)
- インド・ムンバイ拠点化(10年で総事業費1兆円規模):1号物件2026年秋稼働予定
- 2026-05-13開示「第十次中計1年目終了レポート」にて進捗と課題を公表(F1)
出所:irbank セグメントデータ(F1)、prices.db fundamentals(D4)、IR開示(F1)、WebSearch(F1)。2026年5月15日現在。