03 事業概要
銘柄:T&Dホールディングス(8795) 更新日:2026年5月20日
事業概要(3行サマリー)
T&Dホールディングスは、太陽生命(家庭マーケット・訪問販売)・大同生命(中小企業マーケット・税理士チャネル)・T&Dフィナンシャル生命(乗合代理店・貯蓄性商品)の3生保子会社を擁する国内生保持株会社で、東証プライム上場の中堅生保グループである(D4/F2)。独自の強みは3子会社が重複しない専門マーケットを持つチャネル分断戦略で、特に大同生命の中小企業向け企業保険(税理士・中小企業団体ネットワーク)は国内同業他社が容易に模倣できない参入障壁を形成しており、高い継続率・利益率を維持している(F2)。中長期の成長ドライバーは2026年4月策定の「Try & Discover 2030」5ヶ年グループ長期ビジョンで掲げる2030年度グループ修正利益2,000億円超であり、保障性商品の伸長・資産運用収益の拡大・資本効率改善を三本柱とする(D2)。
セグメント別収益構成(直近決算期)
直近 FY2026(2026年3月期)。生保業はセグメント別に経常収益(保険料等収入)が主要収益指標。2026年3月期の詳細セグメント別数値はirbank未反映のため、FY2025(2025年3月期)の確認済みデータを使用する。
※ セグメント利益はifrs基準ではなく各社経常利益ベース。連結グループ合算と定義が異なるため脚注に明記。
| セグメント | 経常収益(概算) | 構成比 | 経常利益(概算) | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 太陽生命保険 | 1兆7,100億円 | 約36% | 795億円 | 4.6% | D2(irbank FY2025) |
| 大同生命保険 | 1兆1,500億円 | 約24% | 1,136億円 | 9.9% | D2(irbank FY2025) |
| T&Dフィナンシャル生命 | 9,600億円 | 約20% | 78億円 | 0.8% | D2(irbank FY2025) |
| T&Dユナイテッドキャピタル | 151億円(資産規模) | ─ | ▲20億円 | ─ | D2(irbank FY2025) |
| その他・消去 | ─ | ─ | 827億円 | ─ | D2(irbank FY2025) |
| 合計(連結 FY2025) | 約2兆3,382億円 | 100% | (連結経常利益1,711億円) | 7.3% | D4 |
※ セグメント合計と連結経常利益の乖離が大きい。これは各社の利益基準(各社経常利益)と連結消去・本社費用控除後の連結経常利益(1,711億円)では定義が異なるため(D2 [WARN])。
FY2026(2026年3月期)の「その他」経常利益は1,606億円(+94.2%)に急拡大しており(D2)、T&DFLを中心とした保険料急増が全体を牽引した可能性が高い(※AI推定)。
大同生命の利益率(9.9%)が他セグメントより顕著に高い。これは中小企業向け企業保険の解約率の低さと税理士チャネルの販売コスト効率によるもの(※AI推定)。
強み・弱み
強み:
- 大同生命の中小企業保険チャネル(税理士・商工団体ネットワーク)は同業他社が容易に模倣できない参入障壁を持ち、高い継続率・利益率を実現(※AI推定/F2)
- 3子会社の市場非重複による顧客チャネルの分散・収益安定性。FY2026は経常益25,719億円(前期比+29.5%)と大幅増益を達成(D4/F2)
- 2026年4月に「Try & Discover 2030」長期ビジョンを策定し、修正利益2,000億円超の中長期ロードマップを開示済み(D2)
- 日銀利上げサイクルによる運用収益改善・逆ざや解消が構造的に進行中(FY2025基礎利益1,620億円、前期比+29%)(F2)
- FY2026配当:年間130円(前期比6円増)、FY2027予想は34円増配で164円を予定(D2)
弱み:
- T&Dフィナンシャル生命の一時払い貯蓄性商品は金利低下局面で大幅縮小するリスクを内包(FY2027予想の経常収益-13.8%はT&DFL縮小が主因と推定)(※AI推定)
- 超長期金利急騰時に国内債含み損が拡大するリスク(FY2026年3月末時点で含み損に関するお知らせを開示 D2)
- 日本生命・第一生命と比較した規模の非対称性(ブランド・運用規模で劣位)(※AI推定)
- 国内事業中心で人口減少・少子化の長期的影響を回避しにくい(※AI推定)
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: FY2026は経常利益+29.5%・当期利益+9.9%と2期連続改善。日銀利上げサイクルが続く限り運用収益改善が続く構造。ただしT&DFLの貯蓄性商品依存度が高まっており、金利政策反転時の脆弱性は増している(D4/D2)。
- 競争優位の方向性: 大同生命の中小企業チャネルは競合との差が維持・拡大中。T&DFLの乗合代理店チャネルは競合大手も積極参入しており、優位性は縮小する可能性がある(F2/※AI推定)。
- 株価との関係: 現在PBR約1.55倍・PER約16.8倍(D4)。ROE推定9.7%(純利益1,390億円÷純資産13,011億円)と金融業としては適正水準。アナリスト目標株価3,807円(D4)に対して現在株価4,151円(D4)はアナリスト目標を上回る水準で、短期的な上昇期待を既に織り込んでいる(※AI推定)。
▼ セグメント内訳・地域別・長期ビジョン(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別)
- 太陽生命保険: 個人保険・個人年金保険が主体。営業職員による訪問販売チャネルが基幹。医療・がん保険等の保障性商品の拡販に注力。FY2025経常収益1.71兆円(前期比+73.7%)は一時払い保険等の急増が主因(D2)
- 大同生命保険: 中小企業経営者向け保障型商品(経営者死亡保障・事業承継)が主力。税理士・中小企業団体を通じたB2B特化チャネルを持ち、解約率が低く利益率が高い。FY2025経常収益1.15兆円(D2)
- T&Dフィナンシャル生命: 銀行窓口・乗合代理店経由の一時払い変額年金・外貨建て保険等の貯蓄性商品。金利上昇で2026年3月期に急拡大→経常収益上方修正の主因(D2)。FY2025経常収益0.96兆円(D2)
- T&Dユナイテッドキャピタル: 生保関連事業への投資子会社。PE投資等が主体。規模は限定的(D2)
地域別: 国内生保事業が中心。海外収益は投資子会社の海外PE投資等が一部あるが詳細比率は取得不可(─)。
長期ビジョン「Try & Discover 2030」(2026年4月策定)
- 計画期間: 2026〜2030年度(5ヶ年)
- グループ修正利益目標: 2030年度2,000億円超
- 主要施策: 保障性商品の着実な伸長、資産運用収益の拡大(金利環境の活用)、資本効率改善、株主還元強化(修正利益の60%現金配当方針継続)
- 役員報酬制度の改定も合わせて実施済み(2026年5月15日開示)(D2)
出所:T&Dホールディングス決算短信・IR資料(D2/F2)、prices.db fundamentals(D4)、irbank(D2)。2026年5月20日現在。