03 事業概要
銘柄:イオン(8267) 更新日:2026年5月21日
事業概要(3行サマリー)
イオンは国内最大の総合小売グループで、GMS(総合スーパー)・SM(スーパーマーケット)・ディベロッパー・総合金融・ヘルス&ウエルネスなど8セグメントを展開し、FY2026(2026年2月期)の連結営業収益は10兆7,153億円と国内小売業最大規模(D4)。2026年4月にツルハHD(3391)への公開買付け後の株式取得を完了し、ヘルス&ウエルネス事業がさらに拡大した一方、ディベロッパー事業(営業利益709億円・利益率13.6%)が高収益セグメントとして全体利益を牽引している(F1)。2026年5月に発表した中期経営計画(2026〜2030年度)ではデジタル×リアル融合・アジアシフト・ヘルス&ウエルネス深化を3本柱とし、FY2027の営業利益3,400億円(前期比+25.7%)を目指している(D2)。
セグメント別収益構成(FY2026-02 通期)
データソース: irbank取得データ(D2)・WebSearch(F1)。連結営業利益2,705億に対しセグメント利益合計が大幅乖離→本社費用・消去の除外のためIFRS構造上の差異が存在(詳細は脚注)。
| セグメント | 売上高(億円) | 構成比 | 営業利益(億円) | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| GMS事業 | 36,800※ | 34.3% | 214 | 9.0% | 0.6% | F1 |
| SM事業 | 34,600※ | 32.3% | 299 | 12.5% | 0.9% | F1 |
| ヘルス&ウエルネス | 16,333 | 15.2% | 524 | 21.9% | 3.2% | F1 |
| ディベロッパー | 5,224 | 4.9% | 709 | 29.6% | 13.6% | F1 |
| 総合金融 | 5,675 | 5.3% | 609 | 25.4% | 10.7% | F1 |
| 国際 | 5,151 | 4.8% | 231 | 9.6% | 4.5% | D2 |
| サービス・専門店 | 3,460 | 3.2% | 164 | 6.8% | 4.7% | D2 |
| DS(ディスカウント) | 399 | 0.4% | 79.9 | 3.3% | 20.0% | D2 |
| その他・消去 | — | — | ▲141 | — | — | D2 |
| 合計(連結) | 107,153億円 | 100% | 2,705億円 | 100% | 2.5% | D4 |
※GMS・SM売上高はD2 irbank比率から概算(※AI推定)。セグメント利益の合計(2,689億)と連結営業利益(2,705億)の差は本社費用・セグメント間消去による。
ディベロッパー(13.6%)と総合金融(10.7%)が高収益で連結利益の約55%を担う構造。GMSは黒字化達成(FY2025は赤字→FY2026で214億黒字転換)。
強み・弱み
強み:
- グループ総合力(スケール×多角化): 営業収益10兆円超の規模で仕入れ交渉力・インフラ共有の優位性が高く、GMS・SM・ドラッグ・金融・モールが同一エコシステムで機能(D4)
- ディベロッパー×総合金融の高収益構造: イオンモール(安定賃料)とイオンクレジット(循環型収益)がそれぞれ利益率10%超を維持し、GMS低収益を補完(F1)
- ツルハHD完全連結化によるヘルス&ウエルネス拡大: 2026年4月の株式取得完了でドラッグ分野の規模・収益が一段拡大し、競合との差別化が強化(D2)
弱み:
- GMSの収益性の低さ: GMS事業の利益率は0.6%にとどまり、連結ROEを抑制。構造改革は進行中だが完全黒字化まで時間を要する(D4)
- 経営の複雑性・資本効率の低さ: 280社超のグループ会社・複数上場子会社が並存し、ROEは5.5%(FY2026純利益727億/自己資本10,505億)と低水準(D4)
- 配当削減リスク: FY2026配当13円(FY2022の27円から半減)で、株主還元の魅力が低下(D4)
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: D4過去5期でROEは2.4%(FY2022)→10.4%(FY2025)→5.5%(FY2026)と変動大。FY2026のROE低下は段階取得差益・減損損失という一時項目の影響。本業の営業利益率は2.5%で過去最高水準を維持しており、中計目標の3,400億円(FY2027)達成で利益率は3%台に改善見込み
- 競争優位の方向性: ツルハHD完全連結化によるヘルス&ウエルネス拡大とAEON Pay会員基盤の成長は拡大方向。ただし競合(コスモス薬品・セブン&アイ)のデジタル強化も加速しており、差の拡大は確認待ち(※AI推定)
- 株価との関係: 現株価1,518.5円に対しアナリスト目標株価1,442円(中立、D4)。株価が目標株価を5%上回る状態で小幅割高。PER56.4倍(FY2026実績ベース)は将来成長(FY2027 +25.7%増益)を先取りした水準(D4)
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要グループ会社:
- GMS事業: イオンリテール、イオン北海道、イオン九州、マイバスケット
- SM事業: マックスバリュ各社、フジ、ツルハHD(連結化完了)
- ヘルス&ウエルネス: ウエルシアHD、ミニストップ
- ディベロッパー: イオンモール(上場子会社)
- 総合金融: イオンフィナンシャルサービス(上場子会社)、イオン銀行
- 国際: マレーシア・ベトナム・中国GMS・モール
- サービス・専門店: キャンドゥ、コックス等
地域別売上構成(概算・※AI推定):
| 地域 | 売上比率 |
|---|---|
| 国内 | 約90% |
| 海外(ASEAN・中国) | 約10% |
海外はマレーシア・ベトナムのGMS・ディベロッパーが成長牽引。中国は縮小・撤退方向。
中期経営計画(2026〜2030年度)2026年5月11日発表:
- 戦略フレーム: デジタル×リアル融合による「イオン生活圏」の深化
- 主要施策: ①食品競争力強化 ②ヘルス&ウエルネス深化 ③ディベロッパー×エンターテインメント進化 ④アジアシフト加速 ⑤デジタルシフト
- FY2027会社予想: 営業収益12兆円(+12.0%)、営業利益3,400億円(+25.7%)
出所:イオン決算短信・IR資料(D2/F1)、prices.db(D4)、irbank(D2)。2026年5月21日現在。