03 事業概要
銘柄:スクリン(7735) 更新日:2026年6月19日
事業概要(3行サマリー)
スクリーンホールディングスは半導体製造装置(洗浄・コーター/デベロッパー等)を主力とし、SPE(半導体製造装置)セグメントが売上の約83%を占める世界トップクラスの半導体装置メーカーである。単枚葉洗浄装置の世界シェアは約40〜42%、バッチ式洗浄装置・スピンスクラバーはいずれも50%超を持ち、洗浄工程においては事実上の世界首位の地位を確立している(F1)。中期経営計画「Value Up Further 2026」ではFY2033売上1兆円超を掲げ、AI・HPC向け先端ロジック投資拡大およびラピダス等の国内先端ファブ向け洗浄装置需要取り込みを主要成長ドライバーとしている。
セグメント別収益構成(直近決算期:FY2026-03)
FY2026-03(2026年3月期)の本決算は2026年5月13日に発表済み(F1)。irbank セグメント詳細データは部分的のみ取得。FY2025-03(前期)のセグメント詳細を参考として併記する。
FY2025-03 セグメント別(D2・直近フル取得済み期):
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| SPE(半導体製造装置) | 5,195億円 | 83.1% | 1,370億円 | 26.4% | D2 |
| EGA(グラフィックアーツ・電子機器) | 529億円 | 8.5% | 42.9億円 | 8.1% | D2 |
| FT(ファインテクノロジー) | 328億円 | 5.2% | 30.5億円 | 9.3% | D2 |
| EP(電子部品関連装置) | 141億円 | 2.3% | 10.7億円 | 7.6% | D2 |
| その他 | 60億円 | 1.0% | ▲18.2億円 | — | D2 |
| 合計(連結) | 6,253億円 | 100% | 1,357億円 | 21.7% | D4 |
FY2026-03 連結実績(F1):
| 指標 | FY2025-03 | FY2026-03 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,253億円 | 6,057億円 | ▲3.1% |
| 営業利益 | 1,357億円 | 1,225億円 | ▲9.7% |
| 純利益 | 995億円 | 920億円 | ▲7.5% |
FY2026-03はSPE事業の売上が前年を下回り(メモリ向け投資鈍化・固定費増加)、減収減益。FT事業(ファインテクノロジー)は大幅増収増益を達成。セグメント別の詳細はirbank未反映(取得不可)のため、利益構成比はFY2025-03参考値を参照。SPEの高収益構造が全体業績を左右する点は変わらない。
強み・弱み
強み:
- 洗浄装置の圧倒的シェア: 単枚葉洗浄装置で世界40〜42%、バッチ式・スピンスクラバーで50%超(F1)。ファウンドリ・IDM共に主要顧客を持ち、参入障壁が高い。
- 高い収益性: SPEセグメント営業利益率26.4%(FY2025)。FY2022-25で利益率が14.9%→21.7%に持続拡大し、製品ミックス改善とコスト管理の両面で優位性を示している(D4)。
- 国内先端ファブ特需の恩恵: ラピダス(2nm国産ファブ)向け洗浄装置の追加発注期待が直近のニュースで確認されており、国内シェア拡大の追加ドライバーとなっている(D3)。
弱み:
- SPE依存度83%の収益集中リスク: 半導体設備投資サイクルの下降局面でSPEが急減速すると、FY2026のように全社利益が▲9〜10%規模で悪化する。
- 非SPE事業の低収益: EGA・FT・EPは利益率8-9%台で成長けん引役にはなりにくく、その他セグメントは赤字。多角化が収益改善に寄与していない。
- 地政学リスク: 中国向け半導体装置輸出規制の強化により、SPEの販売先が制約を受けるリスクがある(※AI推定)。
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: ROEはFY2022〜2025で18.4%→19.2%→19.0%→23.7%と着実に上昇。FY2026は減収減益ながらも純利益920億・自己資本は引き続き拡大見込みであり、ROE 20%台を維持する可能性が高い(F1/D4)。FY2027の会社予想(営業利益1,500億・純利益1,100億)が実現すれば、過去最高益更新となり収益力の持続が証明される。
- 競争優位の方向性: 洗浄装置シェアはFY2023の34%からFY2024の42%へ急拡大しており、競合(TEL・Lam Research等)に対して優位性が高まっている(F1)。先端EUV/GAA世代への移行で洗浄工程が複雑化するほどSCREENの技術優位が活かされやすく、差は拡大方向と見る(※AI推定)。
- 株価との関係: PBR 2.80・PER 14.3(2026-06-09)はROE 20%超水準に対して概ね適正〜やや割高の範囲。FY2027大幅増益予想を先取りする形で株価は年初来+95.7%上昇しており、ガイダンス達成前提での評価となっている(D1/D4/※AI推定)。
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別):
- SPE: 枚葉洗浄装置(SU-3000等)、バッチ式洗浄装置、コーター/デベロッパー(SK-W/HM series)、アニール装置(MILA)。洗浄工程で世界トップシェアを持つ。
- EGA: グラフィックアーツ(印刷機器・版材処理)、電子機器関連。安定収益だが成長性は限定的。
- FT: ファインテクノロジー(医療・精密機器等)。FY2026-03は大幅増収増益(F1)。
- EP: 電子部品関連装置(PCB・ディスプレイ関連と推定)。
中期経営計画(Value Up Further 2026):
- 計画期間:不明(FY2033 売上高1兆円超が長期目標として公表)(F1)
- 主要施策:SPE事業強化(AIチップ・先端ロジック対応)、洗浄装置の高付加価値製品投入、海外拠点拡充、ラピダス等国内先端ファブへの対応
出所:D2(ir.db)、D4(prices.db fundamentals)、D3(news.db)、F1(Web検索、2026年6月19日取得)。2026年6月19日現在。