03 事業概要
銘柄:ソニーG(6758) 更新日:2026年6月5日
事業概要(3行サマリー)
ソニーグループは音楽・映画・ゲーム・半導体・エンタテインメント機器にわたる多角的コングロマリットで、世界180カ国以上でコンテンツとテクノロジーを展開する日本最大級のエンタテインメント企業である。差別化の核心はCMOSイメージセンサーの世界シェア約50%(I&SS部門)とPSプラットフォームを通じたゲームコンテンツ垂直統合にあり、FY2026は連結営業利益1.4475兆円(過去最高)を達成した。中長期の成長ドライバーはPS6への更新サイクル・音楽IPのサブスクリプション拡大・TSMCとの次世代イメージセンサー戦略提携(2026年5月)、およびテレビ事業TCL合弁・金融G分社化によるアセットライト化でのROE向上である。
セグメント別収益構成(2026年3月期)
※2026年3月期(FY2026)実績。irbank取得データではG&NS以外の詳細利益数値は一部未取得のため、WebSearch補完値(F2)を使用。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ゲーム&ネットワークサービス (G&NS) | 46,856億円 | 37.5% | 4,632億円 | 32.0% | 9.9% | F2 |
| エンタテインメント・テクノロジー&サービス (ET&S) | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 音楽 | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ |
| イメージング&センシング・ソリューション (I&SS) | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 映画 | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ |
| 金融(参考・連結除外移行中) | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ |
| その他(消去含む) | ─ | ─ | ▲746億円 | ─ | ─ | D2 |
| 合計(連結) | 124,796億円 | 100% | 14,475億円 | 100% | 11.6% | F2 |
※セグメント利益の詳細数値はirbank上での2026/03期分が一部未取得。G&NS以外の各セグメント数値については取得不可のため
─表示。※金融セグメント(ソニーフィナンシャルG)は2025年10月に分社化・上場済み。FY2026からは連結除外となり比較ベースが変わる。
※2025年3月期比較: 売上高129,571億円→124,796億円(▲3.7%は継続事業ベースでは+3.7%相当)、営業利益14,072億→14,475億(+2.9%)。
参考(FY2025実績セグメント別):
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゲーム&ネットワークサービス (G&NS) | 45,400億円 | 35.0% | 4,148億円 | 9.1% | D2/F2 |
| エンタテインメント・テクノロジー&サービス (ET&S) | 23,600億円 | 18.2% | 1,909億円 | 8.1% | D2 |
| 音楽 | 18,200億円 | 14.0% | 3,573億円 | 19.6% | D2 |
| イメージング&センシング・ソリューション (I&SS) | 17,100億円 | 13.2% | 2,611億円 | 15.2% | D2 |
| 映画 | 15,000億円 | 11.6% | 1,173億円 | 7.8% | D2 |
| 金融 | 9,200億円 | 7.1% | 1,305億円 | 14.2% | D2 |
| その他(消去含む) | ▲825億円 | ▲0.6% | ▲180億円 | ─ | D2 |
| 合計(連結) | 129,571億円 | 100% | 14,072億円 | 10.9% | D4 |
強み・弱み
強み:
- コンテンツ×テクノロジーの垂直統合: PlayStation(G&NS売上4.69兆、FY2026)・Sony Music(音楽)・Sony Pictures(映画)を自社保有し、IPの多メディア展開とハード連動による収益最大化が可能。競合のMicrosoftやNetflixが個別領域の強者であるのに対し、ゲーム・映像・音楽・ハードを束ねる企業は世界でも稀。G&NS営業利益はFY2026に4,632億円と過去最高水準に達した。
- イメージセンサー世界首位(I&SS)+TSMC戦略提携: CMOSイメージセンサーで世界シェア約50%。2026年5月にソニーセミコンダクタソリューションズとTSMCが次世代イメージセンサーに関する戦略的提携の基本合意を締結し、技術リードを更に拡大する体制が整いつつある。車載・AI向けへの拡張も進行中。
- 大規模株主還元: 2026年5月本決算にて新たな自社株買い枠設定と増配を発表。過去3回の枠拡大実績(1,000億→1,500億→2,500億)に続く継続的な還元姿勢が市場から高評価。
弱み:
- テレビ事業(ET&S)の低収益構造: BRAVIA TVを含むET&SはFY2025で利益率8.1%と低く、TCL合弁移行中の過渡期コスト・不確実性が続く。合弁後もソニーブランドのロイヤルティ収益モデルへの転換は時間を要する。
- ソニー・ホンダモビリティ(EV事業)の損失処理: 2026年4月にソニー・ホンダモビリティの今後の事業の方向性変更を発表。関係会社株式評価損・関係会社事業損失引当金が2026年3月期個別決算に計上された(D2 IR 2026-05-08)。「モビリティ×エンタメ融合」の成長ストーリーが縮小し、追加コストリスクが残存。
- FY2027 売上ガイダンスの減収見通し: FY2027は金融G分社化の影響で売上高12.3兆円(前期比▲1.4%)のガイダンス。営業利益は+10.5%増益見込みだが、売上減少はノンコア整理による構造変化の過渡期感が残る(F2)。
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: 営業利益率はFY2024の9.3%→FY2025の10.9%→FY2026の11.6%と3期連続で改善。FY2026は過去最高営業利益(14,475億円)を達成。センサーとコンテンツの高マージン構造はコスト固定的で維持しやすく、持続可能と評価する。ROEはFY2025実績13.9%から改善方向(※AI推定)。
- 競争優位の方向性: センサーではTSMCとの次世代センサー提携(2026年5月)で技術差を更に拡大。音楽・映画IPはM&Aと配信ライセンス戦略で拡大中。TV事業のTCL合弁分離とEV事業整理でノンコア整理が加速しており、コア3事業(コンテンツ・センサー・ゲーム)集中で優位性は拡大方向にある。
- 株価との関係: PER 19.2x・PBR 2.57x(2026/06/04)。ROE13.9%(FY2025実績)・利益率11.6%(FY2026)の成長企業として、アナリスト目標株価コンセンサス4,345円(強気)に対し現在値3,524円(▲18.9%乖離)は過去1年の株価下落(▲19.69%)の過剰織り込みの可能性がある(※AI推定)。PBR 2.57倍はROE水準に概ね見合う水準と評価する。
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別):
- G&NS: PlayStation 5・PS Plus(サブスク)・ゲームソフト(第一/第三者)
- 音楽: Sony Music Entertainment(SME/SMJ)・Peanuts IPライセンス(2026/03追加持分取得)・アニプレックス(アニメIP)
- 映画: Sony Pictures・Columbia Pictures・ストリーミング配信権ライセンス
- I&SS: CMOSイメージセンサー(スマートフォン・車載・医療・AI向け)。ソニーセミコンダクタソリューションズ×TSMC次世代センサー戦略提携(2026年5月基本合意)
- ET&S: BRAVIA TV(TCL合弁へ移行中、2026-03-31確定契約)・カメラ(α/ZV)・オーディオ(WH/WF)・Xperia
- 金融: ソニーフィナンシャルG(2025/10分社化・上場、FY2026から連結除外)
地域別売上(※AI推定):
米国・欧州が主力(ゲーム・音楽・映画の大半)、アジアはI&SSセンサーが牽引。日本国内比率は比較的小さく、円安が収益にポジティブに働く構造。
中期経営計画:
FY2027ガイダンス(営業利益1.6兆・過去最高)+TCL合弁・金融分社化によるアセットライト化+TSMCとの次世代センサー提携が事実上の中期方針。従来型の数値目標を持つ中計は非公表。
出所:irbank.net セグメントデータ(D2)、WebSearch補完(F2)、prices.db fundamentals(D4)。2026年6月5日現在。