03 事業概要
銘柄:シャープ(6753) 更新日:2026年6月5日
事業概要(3行サマリー)
シャープは1912年創業、鴻海精密工業(Foxconn)の持分法適用会社として白物家電・液晶ディスプレイ・複合機・カメラモジュールを手掛ける総合電機メーカーで、国内外の個人消費者・法人顧客を対象に事業を展開する。スマートオフィス(複合機・ドキュメントソリューション)が連結売上の最大セグメントを占め、欧米・アジアの法人市場で安定した消耗品・サービス収益を生む強みを持つ。中期的にはFY2026に確報した赤字脱却(営業利益485億・+77.6%)をベースに、ディスプレイデバイスの構造改革完遂とAI対応複合機・スマートホームデバイスへの移行が成長ドライバーとなる。
セグメント別収益構成(直近決算期)
直近:2025年3月期(FY2024)※FY2025(2026年3月期)のセグメント内訳は公式開示待ちのためirbank未更新
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| スマートオフィス | 6,797億円 | 31.5% | 426億円 | 90.9% | 6.3% | D1/F1 |
| スマートライフ&エナジー | 4,600億円 | 21.3% | 203億円 | 43.3% | 4.4% | D1/F1 |
| ディスプレイデバイス | 4,953億円 | 22.9% | △405億円 | △86.4% | △8.2% | D1/F1 |
| ユニバーサルネットワーク | 3,383億円 | 15.7% | 187億円 | 39.9% | 5.5% | D1/F1 |
| エレクトロニックデバイス | 1,869億円 | 8.7% | 57.5億円 | 12.3% | 3.1% | D1/F1 |
| 合計(セグメント計) | 21,602億円 | 100% | 468.5億円 | 100% | 2.2% | D1/F1 |
| 連結(FY2025確報) | 18,928億円 | — | 486億円 | — | 2.6% | F1 |
FY2025(2026年3月期)セグメント別内訳はirbank未更新のため、上表は直前期(FY2024)の参考値。連結数値はFY2025確報値。セグメント計と連結の差は本社費用・消去等による。
FY2024ではディスプレイデバイスの△405億円の損失をスマートオフィスが中心となる他セグメント利益で補う構造。FY2025連結営業利益は486億(+77.6%)へ改善し、亀山第2工場売却不成立による特別損失を計上しつつも純利474億を確保した。
強み・弱み
- 強み:
1. スマートオフィス(複合機)のグローバル基盤:欧米・アジアで安定した消耗品・保守サービス収益を創出し、景気変動に対して相対的に耐性が高い。FY2024実績で利益率6.3%・セグメント利益426億と収益の主柱
2. 鴻海グループとのEMS連携:製造コスト競争力・部品調達力で家電・スマートデバイスのコスト管理に優位性。2016年のFoxconn傘下入り以降、固定費削減の実績あり
3. 光電変換技術の蓄積:液晶・カメラモジュール・センサーなどのニッチかつ代替困難な素子技術を保有。スマートフォン向けカメラモジュールでの供給実績がある
- 弱み:
1. ディスプレイデバイスの慢性的赤字:中国パネルメーカーとの価格競争で工場稼働率が長期低迷。亀山第2工場の売却は2026年2月に不成立(株価△12.5%)となり処理未完了
2. 売上高の縮小傾向:FY2022の2.5兆円 → FY2025確報1.89兆円と3年間で24%減。FY2026会社予想でも1.77兆円と縮小継続。事業売却・撤退が続き成長路線が描きにくい
3. 自己資本の脆弱性:連続赤字によりFY2022の4,546億円 → FY2025の1,546億円に激減。2026年3月に財務コベナント付きローン締結が開示されており、財務余力が限定的
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: FY2025確報で営業利益率2.6%・ROE16.9%を記録。FY2022〜FY2024の3年間で累計4,500億超の損失を計上した後の回復だが、自己資本圧縮による分母効果が含まれる。FY2027会社予想(営業490億)は前期比微増にとどまり、本質的な高収益体質への転換はディスプレイ問題の解決にかかっている。
- 競争優位の方向性: ディスプレイ市場では中国BOEをはじめとする勢力との価格競争が激化し差別化は縮小中。スマートオフィスはリコー・京セラとのAI複合機競争が本格化しており現状維持では競争力維持が困難。エレクトロニックデバイスは車載カメラ拡大が期待されるが成長ペースは緩慢。
- 株価との関係: PBR 2.82倍(2026年6月4日時点)は自己資本圧縮後の帳簿価格に対し表面上割高に見えるが、FY2026会社予想純利420億・EPS 64.68円に対しPER 10.4倍(※AI推定、現値672円基準)は電機セクター平均と比較して妥当水準。ディスプレイ事業の再悪化リスクと財務脆弱性を考慮すれば適正〜やや割高域と評価する。※AI推定
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別)
- スマートオフィス:デジタル複合機(MFP)・デジタルサイネージ・ドキュメントソリューション。海外(欧米・アジア)比率が高く、消耗品・サービス契約が安定収益源
- スマートライフ&エナジー:AQUOSスマートフォン・冷蔵庫・洗濯機・エアコン・太陽電池
- ディスプレイデバイス:液晶パネル(堺工場、亀山工場)・有機EL
- ユニバーサルネットワーク:AQUOSテレビ・PC・タブレット
- エレクトロニックデバイス:カメラモジュール・センサー・電源デバイス
地域別売上構成
データ取得不可(WebSearch未実施)
中期経営計画(FY2025-2027)
- 期間:2025〜2027年度(3カ年)
- 方針:「シャープらしさを取り戻し成長軌道へ」。スマートビジネス中心のソリューション型ビジネスへの転換、AI対応新規事業立ち上げ、AIoT関連事業一元化
- FY2026会社予想(最新ガイダンス):売上1兆7700億(前期比△6.5%)・営業490億・純利420億
出所:irbank.net セグメント(F1)、prices.db fundamentals(D4)、irbank.net PL(F1)。2026年6月5日現在。