03 事業概要
銘柄:テルモ(4543) 更新日:2026年5月27日
事業概要(3行サマリー)
テルモは血管造影用ガイドワイヤーで世界トップシェアを有する日本の医療機器総合メーカーで、心臓血管・血液細胞・在宅ケアの3カンパニー体制のもと150カ国以上でグローバル展開する。心臓血管カンパニーが売上高の約60%・セグメント利益の約76%を占め、カテーテル治療分野での製品ラインアップと臨床ネットワークが高い参入障壁を形成している(FY2025実績)。中長期成長ドライバーは神経血管デバイス拡大・OrganOx買収による臓器移植関連参入・山中伸弥財団との共同研究によるiPS由来製品量産化である。
セグメント別収益構成(2025年3月期)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | セグメント利益※ | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 血液・細胞テクノロジーカンパニー | 2,003億円 | 19.3% | 265億円 | 13.0% | 13.2% | F1 |
| 心臓血管カンパニー | 6,244億円 | 60.3% | 1,547億円 | 75.8% | 24.8% | F1 |
| メディカルケアソリューションズカンパニー | 2,112億円 | 20.4% | 230億円 | 11.3% | 10.9% | F1 |
| 合計(連結) | 10,362億円 | 100% | 2,042億円 | 100% | 19.7% |
※IFRS当期利益ベース(セグメント間調整・本社費用未配賦含む)。連結営業利益1,577億とは定義が異なる。
心臓血管カンパニーの利益率(24.8%)がメディカルケア(10.9%)の約2倍となるのは、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)向け高付加価値デバイスの比率が高く、スケールメリットと製品ミックスの差が主因。
強み・弱み
強み:
- 血管造影用ガイドワイヤーで世界シェア首位。高い製品信頼性とKOL(Key Opinion Leader)ネットワークが競合の参入障壁となっている
- FY2022〜FY2026の5期連続増収・最高益更新(FY2026: 売上11,319億円、営業利益1,763億円)。心臓血管・血液細胞両カンパニーの好調と価格改定効果が利益成長を牽引
- IFRSベースの財務開示・グローバルIR体制が海外機関投資家(ブラックロック等)からの資本受け入れを容易にしている
弱み:
- 海外売上高が連結の約75%(※AI推定)を占め、円高局面では大幅な営業利益圧迫が生じる為替感応度の高さ
- セグメント利益率の差異(心臓血管24.8% vs メディカルケア10.9%)から、在宅・消耗品ビジネスのスケールアップに課題があり、利益ミックス改善が遅れている
- OrganOx買収(2025年8月)等のM&A積み重ねによるのれん・統合コスト増加リスク
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: 営業利益率はFY2022〜FY2026で14.3〜16.5%の間で推移。FY2027は営業利益2,245億円計画(前期比+27.3%)と大幅成長が見込まれ、利益率はさらに改善する方向性。ROE 8〜9%台は日本の大型製造業平均と同水準(※AI推定)。
- 競争優位の方向性: 心臓血管分野ではボストンサイエンティフィック・メドトロニックとの競合激化が続くが、ニッチ高付加価値品(ガイドワイヤー・バルーン)での差別化が維持されている。FY2026の好調実績と大幅増益予想により差は拡大方向(※AI推定)。
- 株価との関係: PBR 2.52x・PER 22.9xは、ROE 8〜9%・FY2027利益成長率+27%から見ると割安域にある。アナリストコンセンサス目標株価2,805円(現値比+20%)との乖離は上昇余地を示唆(※AI推定)。
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品(セグメント別):
- 血液・細胞テクノロジーカンパニー: 血液バッグ、アフェレシス装置、細胞培養器材、OrganOx(臓器保存)
- 心臓血管カンパニー: ガイドワイヤー、バルーンカテーテル、ステント、神経血管デバイス
- メディカルケアソリューションズカンパニー: シリンジ、輸液セット、TPENCIS、在宅医療器材
地域別売上構成:
地域別詳細はF1(irbank)にて取得不可。海外売上比率は約75%(※AI推定)。
中期経営計画(GS26):
- 計画期間: FY2024〜FY2026
- FY2026売上実績: 11,319億円(計画達成・前期比+9.2%)
- 主要施策: 心臓血管デバイス米国・アジア展開加速、血液細胞技術の収益化、デジタルヘルス統合
出所:irbank.net(F1)、テルモ決算短信(F5)、株探(F2)。2026年5月27日現在。