03 事業概要
銘柄:双日(2768) 更新日:2026年5月23日
事業概要(3行サマリー)
双日は日商岩井とニチメンが2004年に合併した総合商社で、金属・資源、化学、自動車、エネルギー・ヘルスケア等7セグメントを展開し、アジア・中東・オセアニアに強い地域基盤を持つ中堅総合商社。豪州ライナスとのレアアース供給契約を2038年まで更新済みで、サマリウム等のレアアースを中国外で商業生産・輸入する唯一の商社として経済安保分野で差別化されており、2026年3月期は売上2.7574兆円(+9.9%)・純利益1,036億円を達成した。中長期の成長ドライバーは、脱炭素・経済安保に絡むレアアース・エネルギーインフラ事業の拡大と、FY2027予想純利益1,300億円(+25.5%増)を目指す収益拡大への転換。
セグメント別収益構成(2026年3月期)
| セグメント | 売上高(目安) | 構成比 | セグメント当期利益※ | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 化学 | 5,872億円(前期参照) | ─ | ─ | ─ | ─ | D4/F1 |
| 金属・資源・リサイクル | 4,795億円(前期参照) | ─ | 48億円 | 約5% | 約1.0% | F1/F2 |
| 自動車 | 4,336億円(前期参照) | ─ | ─ | ─ | ─ | D4 |
| リテール・コンシューマーサービス | 4,193億円(前期参照) | ─ | ─ | ─ | ─ | D4 |
| 生活産業・アグリビジネス | 2,643億円(前期参照) | ─ | ─ | ─ | ─ | D4 |
| エネルギー・ヘルスケア | 2,023億円(前期参照) | ─ | 319億円 | 約31% | ─ | F2 |
| 航空・社会インフラ | 743億円(前期参照) | ─ | 155億円 | 約15% | ─ | F2 |
| 合計(連結) | 27,574億円 | 100% | 1,036億円 | 100% | 3.8% | F2 |
※セグメント利益は「当期利益」ベース(IFRS)。連結純利益1,036億円と定義が異なる。
セグメント別売上の2026年3月期確定値はIR開示PDFに記載されており、本表では入手可能な数値を掲載(前期参照分は概算)。
セグメント利益合計と連結純利益の差異はIFRS本社費用・消去等。[WARN] irbank取得時に乖離が大きいため脚注に明記(D4)。
FY2026でエネルギー・ヘルスケア(319億円)が最大の利益貢献セグメントへ浮上し、前期比+95億(+42%)と急拡大。金属・資源・リサイクルは292億(FY2025)→48億(FY2026)と大幅減益となり、資源価格下落の影響が顕在化した。
強み・弱み
強み:
- レアアース差別化: 豪州ライナスと2038年まで供給契約を更新。サマリウムの中国外商業生産は初であり、経済安保・脱中国依存の文脈で政策・需要ともに追い風が続く(D3: score3.00)。
- エネルギー・ヘルスケアの高成長: FY2026では319億円と連結利益の最大貢献セグメントへ成長。LNG・電力・医療分野の収益基盤が安定的に拡大中。
- 増配継続: DOE 4.5%方針のもとFY2026配当165円、FY2027予想180円と増配継続。自社株買い100億円も発表し株主還元姿勢が鮮明。
弱み:
- 自動車セグメントの構造的低収益: 売上規模4,000億円超に反して当期利益は極めて低く(FY2025:15.7億)、EV移行による構造変化でさらなる悪化も懸念される。
- 金属・資源依存のボラティリティ: 金属・資源セグメントはFY2023の627億→FY2026の48億と極端な変動幅を示し、コモディティ価格に業績が強く左右される。
- 営業利益率の低水準: IFRS基準の営業利益は3%前後と中堅総合商社の中でも低く、利益の質(持分法利益依存)に課題がある。
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: FY2027純利益1,300億円(+25.5%)予想はエネルギー・ヘルスケアの継続成長と金属・資源の回復を前提とする。営業利益率は低いが純利益ベースの回復トレンドは継続。ROEは自己資本拡大(9,690億円)に対し適正水準を維持。
- 競争優位の方向性: レアアース・経済安保分野では独自ポジションが拡大中。ただし自動車・化学・リテールセグメントは競合との差別化が不明瞭で、汎用ビジネスが全体利益率を押し下げている。
- 株価との関係: PBR1.19倍・PER10.5倍(2026/05/22)は商社株として割安圏。アナリスト目標株価8,458円に対し現在株価5,550円は▲34%の乖離があり、市場がFY2027回復への確証を持てていない状態。※AI推定
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別):
- 金属・資源・リサイクル: 鉄鋼・非鉄金属・レアアース・リサイクル素材
- 化学: 農薬・肥料・合成樹脂・染料・電子材料
- 自動車: 完成車輸出・自動車部品・EVモーター
- リテール・コンシューマーサービス: 食料・小売・アパレル
- 生活産業・アグリビジネス: 農業投入材・食料流通
- エネルギー・ヘルスケア: LNG・電力・医薬品・医療機器
- 航空・社会インフラ: 航空機リース・防衛・インフラ
中期経営計画(FY2026決算発表時点):
- FY2027純利益予想: 1,300億円(+25.5%)
- FY2027売上総利益予想: 4,400億円
- FY2027配当予想: 180円/株(FY2026比+15円)
- 自社株買い: 100億円発表(2026年5月1日)
- 配当方針: DOE 4.5%目標継続
出所:D4(prices.db)、F1(IRBank)、F2(株探・各種報道)。2026年5月23日現在。