03 事業概要
銘柄:ディーエヌエ(2432) 更新日:2026年5月21日
事業概要(3行サマリー)
ディー・エヌ・エー(DeNA)はモバイルゲーム・ライブストリーミング・スポーツ・ヘルスケアを柱とする多角的デジタルサービス企業で、横浜DeNAベイスターズの親会社でもあり、2026年3月期通期売上1,477億円・営業利益187億円を達成した。独自の強みは任天堂・ポケモン社との戦略的IPパートナーシップで、「ポケモンTCGポケット(ポケポケ)」が世界的ヒットを記録してゲーム事業売上644億円・セグメント利益297億円(利益率46%)を牽引した。中長期の成長ドライバーは次期グローバルIPタイトルの開発投入と、500億円自社株買いによるキャピタルアロケーション強化、持分法関連会社のTSE上場に伴う含み益実現にある。
セグメント別収益構成(直近決算期)
2026年3月期 通期実績(IFRS、連結)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | セグメント利益※ | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ゲーム | 644億円 | 43.6% | 297億円 | 84.4% | 46.1% | F1 |
| ライブストリーミング | 398億円 | 26.9% | 40億円 | 11.4% | 10.0% | F1 |
| スポーツ | 328億円 | 22.2% | 18億円 | 5.1% | 5.5% | F1 |
| ヘルスケア・メディカル | 87億円 | 5.9% | ▲23億円 | ─ | ─ | F1 |
| 新規事業・その他 | 25億円 | 1.7% | ▲16億円 | ─ | ─ | F1 |
| 合計(連結) | 1,477億円 | 100% | 187億円 | 100% | 12.7% | F1 |
※セグメント利益はIFRSベース。連結営業利益187億円とは本社費用・消去が除外されているため定義が異なる。利益構成比・利益率は黒字セグメントの絶対値から計算。ゲーム事業が全利益の84%を占め、収益集中が際立つ。ライブストリーミングは前期赤字から黒字転換(+40億円)。ヘルスケアは引き続き赤字(アルム関連費用・減損)。
irbank取得値でヘルスケア107億vs311億(スポーツ)等に「値の逆転候補」警告が出たが、WebFetch取得の確定値(ヘルスケア87億、スポーツ328億)で上書き確認済み。
強み・弱み
強み:
- グローバルIPパートナーシップ: 任天堂・ポケモン社とのコラボにより「ポケポケ」(累計DL1億超)を世界的ヒットに育てた実績。ゲームセグメント利益率46%は国内モバイルゲーム大手の中でも際立って高い(F1)
- スポーツ×デジタルの複合収益: 横浜DeNAベイスターズの2024年日本一効果が持続しスポーツセグメント売上328億円(+4.5%)。スタジアム運営との垂直統合モデルが安定収益源(F1)
- 財務健全性と積極還元: 自己資本2,417億円(D4)、500億円自社株買い実施中。持分法関連会社のTSE上場承認(2026-05-14)で追加含み益実現の見込み(D2)
弱み:
- 特定タイトル集中リスク: ゲームセグメント利益の大半がポケポケ1タイトルに依存。同タイトルの課金鈍化リスクが2026年3月期の減収減益(前期比▲9.9%、▲35.5%)に直結した(F1)
- ヘルスケアの赤字継続: アルム(AI医療ソリューション)関連費用・減損でセグメント赤字▲23億円が続く。商用化まで中期的な損益貢献は期待しにくい(F1)
- ライブ配信の競争激化: Pocochaは黒字転換(+40億円)したが、TikTok Live・YouTube Liveとの競争は継続。国内集中モデルで規模拡大余地が限られる(F1)
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: 2025年3月期の営業利益率17.7%から2026年3月期は12.7%へ縮小。ポケポケ効果の平準化と次期タイトル開発コストが重しで、ROE(2025/3期時点で約10%)の中期的維持には次タイトルの成否が不可欠(D4/F1)
- 競争優位の方向性: 任天堂・ポケモン社との独占的関係は依然希少だが、2027年3月期の会社予想は売上+4.3%に対し営業利益▲19.8%とさらなる利益率低下を想定。新規IPへの分散が進まない限り競争優位の幅は縮小リスクあり(※AI推定)
- 株価との関係: 現在PER29.0倍・PBR1.27倍(D4)。アナリスト目標株価2,955円に対し現在2,760円で約7%のアップサイド。利益率縮小局面で成長プレミアムを維持しており、次期タイトル発表がなければ割高感が出やすい水準(※AI推定)
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
ゲーム事業(主力)
- スマートフォンゲーム「ポケモンTCGポケット(ポケポケ)」「逆転オセロニア」など
- ポケポケは2024年秋グローバルリリース後に爆発的ヒット。累計DL数1億超
- 北米・欧州・アジア向けゲーム配信(売上の約50%超が海外推定)
ライブストリーミング事業
- 「Pococha(ポコチャ)」: 国内ライブ配信プラットフォーム(2026年3月期黒字転換)
- 「IRIAM(イリアム)」: VTuber向けライブ配信
- 米国Pococha事業は2023年に撤退済み。国内に集中
スポーツ事業
- 横浜DeNAベイスターズ球団経営(チケット・グッズ・放映権)
- 横浜スタジアム(ハマスタ)運営
- 2024年日本シリーズ優勝→球団ブランド価値向上・観客動員増
ヘルスケア・メディカル事業
- AI医療ソリューション(アルム社: 2026年3月期も赤字継続)
- 遺伝子検査「MYCODE」
- 先行投資フェーズで収益貢献は限定的
2027年3月期 会社予想
- 売上収益: 1,540億円(前期比+4.3%)
- 営業利益: 150億円(前期比▲19.8%)
- アナリストコンセンサス(F1): 売上1,596億円、営業利益302億円と会社予想を大幅上回る強気予想
出所:ディー・エヌ・エー2026年3月期通期決算短信(F1:gamebiz 2026/5/12)、D4(prices.db fundamentals)、D2(ir.db)。2026年5月21日現在。