03 事業概要
銘柄:鹿島(1812) 更新日:2026年5月23日
事業概要(3行サマリー)
鹿島建設はスーパーゼネコン大手5社の一角を担う総合建設会社で、国内建築・土木事業に加え海外関係会社(北米・アジア・欧州)および不動産開発事業を展開、FY2026売上高は3兆672億円(+5.3%)に達した。独自の免震・制振技術と原子力施設・超高層・AIデータセンター等の高難度構造物における豊富な施工実績を強みに、FY2026建設事業受注高は3兆2,639億円(前期比+24.4%)と次期繰越高3兆1,161億円(+22.2%)まで積み上がっている。中長期では国内AIデータセンター建設需要・防災/国土強靭化の大型インフラ投資・不動産開発利益拡大が企業固有の成長ドライバーとなる。
セグメント別収益構成(直近決算期:FY2026 2026年3月期)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 建築事業 | 11,829億円 | 38.6% | 832億円 | 34.6% | 7.0% | F1 |
| 海外関係会社 | 10,919億円 | 35.6% | 266億円 | 11.1% | 2.4% | F1 |
| 土木事業 | 4,307億円 | 14.0% | 767億円 | 31.9% | 17.8% | F1 |
| 国内関係会社 | 4,146億円 | 13.5% | 357億円 | 14.8% | 8.6% | F1 |
| 開発事業等 | 964億円 | 3.1% | 176億円 | 7.3% | 18.3% | F1 |
| セグメント間消去等 | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | |
| 合計(連結) | 30,672億円 | 100% | 2,407億円 | 100% | 7.8% | D4/F1 |
セグメント利益合計(2,398億円)は連結営業利益(2,407億円)にほぼ一致(差異は消去等)。
土木事業の利益率が17.8%と突出して高い。前期8.8%から大幅改善し採算構造が変化。建築事業は前期4.9%→7.0%に改善。
海外関係会社は売上36%を占めながら利益率2.4%に留まる。規模は大きいが薄利構造は継続。
強み・弱み
強み:
- 土木事業の採算急改善: FY2026の土木事業営業利益率17.8%(前期8.8%、前期比+114.9%増益)は高難度インフラ工事での価格決定力を示す。国土強靭化・原子力・再エネ案件が好採算を牽引(F1)。
- 受注残高の高水準積み上げ: 次期繰越高3兆1,161億円(+22.2%)は中期業績の下支え要因。AIデータセンター・工場・物流施設等の大型民間案件を中心に積み上がっている(F1)。
- 開発事業の高採算: 利益率18.3%(売上3.1%でも利益7.3%貢献)の不動産開発事業が連結利益を下支え。保有不動産の含み益も潜在的なバッファ。
弱み:
- 海外関係会社の薄利構造: 売上36%を占めながら利益率2.4%。現地コスト上昇・資材費・人件費高騰が恒常的な収益圧迫要因。為替感応度も高く円高局面では利益目減りリスク。
- FY2027の減収減益ガイダンス: 売上高2兆9,000億円(-5.5%)・営業利益2,000億円(-16.9%)と前期比減少予想。FY2026の高水準からの一服を保守的に見ている可能性もあるが、受注残消化のタイミングと工事採算が鍵。
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: 営業利益率はFY2022〜FY2025の5.1〜5.9%水準からFY2026に7.8%へ大幅改善。ROEはFY2026実績13.3%(D4/F1)と過去5期で最高水準。FY2027ガイダンスは一服するが受注残3兆円超が業績の下支えとなり、ROE2桁維持は続く見通し(※AI推定)。
- 競争優位の方向性: AIデータセンター・半導体工場・再エネ等の高付加価値案件で施工実績を積み上げており、技術難易度の高い案件では競合との差が拡大方向。汎用工事では価格競争が継続するが、鹿島は採算管理を強化し利益率底上げを優先する戦略に転換済み。
- 株価との関係: PBR 2.20倍・PER 16.5倍(EPS実績379.81円基準)は、ROE13.3%を踏まえると概ね適正〜やや割安水準。アナリスト目標株価5,593円(D4)に対して現在株価5,469円は約2.2%下方にあり、足元は割安圏にある(※AI推定)。
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別):
- 建築事業: 工場・物流施設・オフィスビル・データセンター・医療施設・教育施設等の設計・施工
- 土木事業: 道路・トンネル・ダム・橋梁・原子力施設・都市土木・再生可能エネルギー関連
- 海外関係会社: Kajima USA、Kajima Asia等を通じた北米・東南アジア・欧州での建設事業
- 国内関係会社: 設備工事・エンジニアリング・建設周辺サービス等のグループ子会社
- 開発事業等: 国内不動産の開発・販売・賃貸、建設技術研究所
地域別売上構成: 国内(建築+土木+国内関係会社+開発)≈65%、海外≈36%(FY2026実績ベース、※AI推定)。
中期経営計画: 親会社純利益1,300億円以上を中計目標に設定。FY2026の親会社純利益1,773億円は大幅超過(F1)。
出所:BigGoファイナンス決算短信(F1)、prices.db fundamentals(D4)。2026年5月23日現在。