03 事業概要
銘柄:長谷工コーポレーション(1808) 更新日:2026年5月22日
事業概要(3行サマリー)
国内最大手のマンション施工会社として、マンション建設を核に不動産販売・賃貸・管理・仲介等の周辺事業を垂直統合で展開する。主力の建設関連事業はマンション施工市場の約40%シェアを誇り、専属職人グループと長年の施工ノウハウが高い参入障壁を形成している(FY2026売上構成の約58%、D4)。FY2026(2026年3月期)に経常利益が9期ぶり最高益を更新し、不動産・サービスセグメントの安定成長と施工採算の改善が重なり、次期中計に向けた収益回復フェーズに入った。
セグメント別収益構成(直近決算期:2026年3月期)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建設関連事業 | 7,351億円(FY2025実績・参考) | 約58% | 535億円(FY2025参考) | 7.3% | D4/F1 |
| 不動産関連事業 | 1,743億円(FY2025参考) | 約14% | 240億円(FY2025参考) | 13.8% | D4/F1 |
| サービス関連事業 | 2,645億円(FY2025参考) | 約21% | 181億円(FY2025参考) | 6.8% | D4/F1 |
| 海外関連事業 | 35億円(FY2025参考) | 約0.3% | △57億円(FY2025参考) | ─ | D4/F1 |
| 合計(連結) | 12,731億円(FY2026実績) | 100% | ─(FY2026詳細未取得) | ─ | F2 |
FY2026(2026年3月期)通期連結売上高12,731億円(前期比+8.1%)・経常利益941億円(+12.8%、9期ぶり最高益)を確認(F2)。セグメント別FY2026詳細は決算説明資料(2026-05-15開示)参照推奨。FY2025実績(D4/F1)をセグメント構成参考として掲載。
セグメント合計営業利益(FY2025)とD4連結847億の差はセグメント間消去・全社費用等。不動産関連の利益率13.8%が最高で、建設コスト高騰の影響を受ける建設関連(7.3%)との格差が大きい。
強み・弱み
強み:
- マンション施工市場の国内シェア約40%(業界1位): 長年の施工ノウハウと専属職人組織が参入障壁を形成し、規模の経済性も働くため中規模業者との差別化が持続的
- 建設→販売→管理の垂直統合モデル: サービス関連事業(マンション管理・リフォーム・仲介等)が安定した反復収益基盤として機能し、景気変動に対して耐性がある
- FY2026に施工採算改善が確認: 経常利益941億円(+12.8%・9期ぶり最高益)は、完成工事総利益率の回復を示唆。受注残の積み上がりで複数年の収益視認性も高い
弱み:
- 新設マンション着工数への高い依存: 建設関連事業が売上の約58%を占めるため、マンション市場の需要縮小は直接収益に影響
- 資材・労務費高騰リスクの継続: FY2022の営業利益率9.1%からFY2025の7.2%まで低下傾向が続いており、コスト上昇の転嫁余地に構造的限界がある
- 海外事業の継続損失: 主にベトナム・米国の海外関連事業がFY2025に△57億円の損失。規模は小さいが改善の見通しが不透明
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: FY2026に経常利益9期ぶり最高益を更新したことで、FY2025の純利益急落(344億円)は一時的要因と確認された。FY2026純利益は会社ガイダンス580億円に概ね沿う水準(EPS213円相当)と推定。営業利益率はFY2023の8.8%から7%台に低下後、FY2026の採算改善で7%台後半への戻りが期待されるが、構造的コスト圧力は残存。
- 競争優位の方向性: 施工ノウハウというコア競争力は維持。不動産関連(利益率13.8%)の比率上昇と施工採算回復が重なれば利益ミックスの改善が続く。ただし、国内マンション市場の価格高騰・少子化は中長期の受注量を制約する可能性がある。
- 株価との関係: PBR1.35倍・PER12.8倍(D4)は建設業セクターでやや割安圏。FY2026の最高益更新と増配(90円)を受けた2026-05-18の株価+5.96%(D1)が示すように、業績回復の株価への反映は部分的。ROEが10%台に回復すれば現在のPBRは理論上割安であり、FY2027ガイダンスの水準次第でさらなる再評価余地がある(※AI推定)。
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
- 建設関連事業: マンション施工が中核。FY2026は施工量増加と採算改善が重なり収益貢献が拡大(経常最高益の主因と推定)
- 不動産関連事業: マンション分譲・用地仕入・賃貸等。FY2025は前期比36.5%増で高利益率(13.8%)を達成
- サービス関連事業: マンション管理・リフォーム・仲介・介護等。安定した反復収益源として全体収益を下支え
- 海外関連事業: ベトナム・米国等。売上35億円と規模は小さいが営業損失が継続
- 中期経営計画: 「HASEKO Next Stage Plan(NS計画)」はFY2025に最終年を迎えた。次期中計の詳細は2026-05-15の決算説明資料(F2)参照推奨
出所:IRBank・irbank.net(F1)、株探・みんかぶ(F2)、D4(prices.db fundamentals)。2026年5月22日現在。