03 事業概要
銘柄:清水建設(1803) 更新日:2026年5月22日
事業概要(3行サマリー)
清水建設はスーパーゼネコン5社の一角を占める国内大手総合建設会社で、民間建築(首都圏・大都市)を主力に道路舗装・投資開発・エンジニアリングを複合展開し、海外25カ国以上にも事業基盤を持つ。創業230年超の寺社・伝統建築から超高層・免震まで幅広い技術体系を有し、FY2026(2026年3月期)本決算では営業利益1,186億円(前期比+67%)・純利益1,266億円(+92%)を達成、34期ぶりの最高益を更新した。中長期の成長ドライバーは「超建設」コンセプトのもと推進するAIデータセンター・物流施設などの高付加価値受注拡大と、2030年度経常利益2,000億円以上という中計目標への進捗加速にある。
セグメント別収益構成(直近決算期:FY2025 2025年3月期)
注: irbank取得セグメントデータはFY2025(2025年3月期)が最新。FY2026(2026年3月期)の確定セグメント内訳は未取得。連結合計(FY2026)はWebSearch取得(F1)。
セグメント利益合計が連結営業利益710億円を大きく上回るのは本社費用・セグメント間消去が除外されているため(日本基準の開示構造)。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建設事業 | 13,668億円 | 70.3% | 564億円 | 4.1% | D2 |
| その他(エンジニアリング等) | 3,737億円 | 19.2% | 249億円 | 6.7% | D2 |
| 道路舗装事業 | 1,508億円 | 7.8% | 99億円 | 6.6% | D2 |
| 投資開発事業 | 531億円 | 2.7% | 169億円 | 31.8% | D2 |
| 合計(連結 FY2025) | 19,444億円 | 100% | 710億円 | 3.6% |
FY2026連結実績(2026年3月期): 売上高2兆578億円(+5.8%)、営業利益1,186億円(+67.1%)、純利益1,266億円(+91.8%)。34期ぶりの最高益(F1)。
投資開発セグメントは売上比率2.7%ながら利益貢献率23.8%と突出。建設事業はFY2025に前期比+171%の大幅利益回復を達成し、FY2026はさらに加速した。
強み・弱み
- 強み:
- 創業230年超の建設技術蓄積(寺社・伝統建築から免震・超高層まで)による入札競合力と受注単価の優位性
- 投資開発セグメントの高収益性(利益率31.8%)が建設事業の利益率変動を緩衝するポートフォリオ構造(D2、D4)
- FY2026本決算で34期ぶり最高益を達成し、業績回復の持続性が確認された。FY2027会社予想も売上高+12.3%・営業利益+28.9%と強い見通し(F1)
- 弱み:
- 建設事業の営業利益率が4〜8%台と、資材・労務費コスト上昇局面で縮小圧力を受けやすい(FY2024は-1.2%に悪化した実績あり)
- アナリストコンセンサス目標株価2,567円(2026年5月時点)は現在株価2,586円とほぼ同水準で、機関投資家の上値評価が限定的(D4)
- 株価が直近1ヶ月で-10.8%・3ヶ月で-22%と大幅下落し、本決算好業績が発表後の出尽くし売りを招いた需給の脆弱性(D1)
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: FY2026営業利益1,186億円(利益率5.8%)、純利益1,266億円(EPS約187円)と、FY2024の赤字から2期で急回復。ROEは7.7%(FY2025)からさらに上昇見込み。FY2027会社予想(営業利益1,530億円)が実現すれば利益率7%超となり、構造的改善が定着する可能性が高い。(D4、F1)
- 競争優位の方向性: スーパーゼネコン各社が高付加価値案件・非建設領域を一斉に強化しているが、清水建設はAIデータセンター・データホール建設の先行受注実績と投資開発の高収益性で差異化が進みつつある。MSCI採用(2026年2月)により機関投資家の継続的な保有フローも確保。(D2、AI推定)
- 株価との関係: 現在株価2,586円、PER31.5倍、PBR2.03倍。FY2027予想EPS(約192円・AI推定)ベースでは予想PER約13.5倍と割安感が出る。ただし現時点のPBR2.0倍はゼネコン業界平均(1.0〜1.5倍)を依然大きく上回り、成長期待プレミアムが織り込まれている。(D4、AI推定)
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
- 主要製品・サービス:
- 建設事業:建築(民間・公共)・土木・海外建設
- 投資開発事業:不動産開発・賃貸・売却
- 道路舗装事業:日本道路(子会社)による路面建設・維持
- その他:エンジニアリング、ICT・DX、環境・エネルギー
- 地域別(中計目標): 国内75%、海外25%(現状は国内偏重)
- 中期経営計画〈2024-2026〉:
- コンセプト:「超建設」(建設の枠を超えた自己変革)
- 2030年度目標:連結経常利益2,000億円以上
- 3年間投資計画:人財・生産性・不動産開発・グリーンエネルギー・新規事業等 合計3,600億円
- 売上構成目標:非建設35%(現在約30%)、海外25%
- FY2026本決算(2026年5月12日発表)ハイライト:
- 売上高:2兆578億円(前期比+5.8%)
- 営業利益:1,186億円(+67.1%)
- 経常利益:1,223億円(+70.7%)
- 純利益:1,266億円(+91.8%)、34期ぶり最高益
- 配当:38円(前期20円から増配)
- 業績連動型株式報酬制度の新規導入も発表
出所:irbank.net(D2)、清水建設決算短信2026年5月12日(F1)。2026年5月22日現在。