03 事業概要
銘柄:大成建設(1801) 更新日:2026年5月22日
事業概要(3行サマリー)
大成建設は国内大手ゼネコン(大手5社)の一角で、建築・土木・不動産開発の3セグメントを擁し、FY2026実績売上高2兆890億円・時価総額2,200億円規模の東証プライム上場(建設業)。土木部門が営業利益率13.9%(FY2025実績)と高収益であり、超高層ビル・地下構造物・大型土木工事に強い技術ブランドを保有する。中長期ドライバーとして国土強靱化・防衛インフラ・AIデータセンター建設ラッシュという官民需要の重なりが続くが、FY2026本決算好調の一方FY2027ガイダンスは純利益11%減で市場の期待を下回り、大幅調整が発生した。
セグメント別収益構成(直近決算期:2026年3月期)
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 利益構成比 | 利益率 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 建築 | 13,700億円※ | 65.6%※ | ─ | ─ | ─ | ※AI推定 |
| 土木 | 6,306億円※ | 30.2%※ | ─ | ─ | ─ | ※AI推定 |
| 開発 | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ |
| その他 | 166億円 | ─ | 23.6億円 | ─ | 14.2% | F1 |
| 合計(連結) | 20,890億円 | 100% | 1,880億円 | 100% | 9.0% | F1 |
FY2026(2026年3月期)の連結売上高は20,890億円(前期比-3.0%)、営業利益は1,880億円(前期比+56.4%)と大幅増益。FY2025のセグメント別詳細(建築13,700億・土木6,306億)を踏まえた構成比はAI推定値。FY2026単体のセグメント別内訳は決算短信入手待ち。なお建築は材料費・労務費上昇の影響を受けやすい固定価格型であるのに対し、土木は官公庁案件中心で価格転嫁しやすい構造的差異がある。
強み・弱み
強み:
- 土木・地下構造物の技術優位: 大型地下工事・トンネル・橋梁で高い受注実績。土木マージン13.9%(FY2025)は業界最高水準帯(D4)
- 官需・防衛・国土強靱化の追い風: 国土強靱化5か年加速化対策・防衛インフラ整備により土木受注が安定的に拡大(D3)
- AIデータセンター受注増: 国内AI/クラウドインフラ投資急拡大を背景にデータセンター建設で存在感(D2: 2026-02-28 FISCOレポート)
- FY2026実績での大幅増益: 営業利益1,880億円・ROE 17.93%・EPS 1,025.53円と過去最高水準を更新(F1)
弱み:
- FY2027ガイダンスの失望: 純利益1,510億円(-11.2%減予想)はアナリスト予想平均を下回り、2026-05-14に-10.14%・翌日-8.41%の連続急落を招いた(D1)
- 建築マージンの低さ: FY2025の建築セグメント利益率は0.8%と構造的に薄利。資材・人件費上昇局面での採算悪化リスクが大きい
- 受注→売上計上のタイムラグ: 工事完成基準の一部適用により、短期業績のボラティリティが高い
競争優位の耐久性評価
- 持続可能性: 営業利益率はFY2024の1.5%からFY2025に5.6%、FY2026に9.0%へ急回復し過去5期で最高水準。ROEもFY2025の14.3%からFY2026に17.93%へ上昇。FY2027会社予想では利益率8.7%(営業利益1,880億/売上2兆4,200億)と横ばいを維持見通しで、構造的改善は続く(F1・D4)
- 競争優位の方向性: 国土強靱化・防衛インフラという官需巨大化の中で土木部門の優位は2027〜2030年にかけて拡大方向。AIデータセンター受注も各社が積極展開するが技術難易度の高い大型案件では大成の優位が保たれやすい。FY2027ガイダンスが純利益11%減と示した通り、受注獲得後の採算管理・コスト転嫁が課題。
- 株価との関係: 現在株価13,540円(2026-05-21)・PBR 2.55x・PER 28.4x(D4旧ベース)。FY2026実績EPS 1,025.53円ベースでの実勢PER約13.2x、FY2027予想EPS 926.33円ベースでは約14.6xと割安感が出てきた水準。アナリストコンセンサス目標株価13,530円(2026-05-15)とほぼ一致しており、中立圏に戻っている。(F1・D4・※AI推定)
▼ セグメント内訳・地域別・中計(詳細)
主要製品・サービス(セグメント別)
- 建築:超高層ビル・オフィス・商業施設・データセンター・医療施設
- 土木:道路・鉄道・トンネル・橋梁・ダム・港湾・防衛施設
- 開発:不動産開発・賃貸・分譲マンション(大成ユーラク不動産等グループ経由)
中期経営計画
- TAISEI VISION 2030(長期ビジョン)の実行計画として2024〜2026年度を中期計画期間に設定
- 国土強靱化・脱炭素・デジタル建設を軸とした成長投資を推進(F1)
- FY2027ガイダンス(売上2兆4,200億)はFY2026実績を大きく上回り、最高売上更新計画(F1)
出所:irbank.net(F1)、D4(prices.db fundamentals)、D1(signals)、D2(ir.db)。2026年5月22日現在。